ゆっくりとマスターの工夫を味わう京成高砂「もつ料理なか川」

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葛飾区は「もつ(牛豚鶏などの内臓料理)」を出すお店が多いことで有名です。
もつって好きな人はたまらなく好きですが、独特の風味や食感が苦手という人もいらっしゃいますよね。

今回はそんなもつが苦手な人も楽しめるのでは?という「もつ料理なか川」をご紹介します。

京成高砂駅からゆっくり歩いて3分。清潔感のある店構えと店内

京成高砂駅北口階段を出て、ゆっくり歩いても3分ほどでもつ料理なか川に到着します。

清潔感のある店構えですね。
店内に入ってみましょう。

ホールには4~6人が使えるテーブルや、1~2人用のテーブルがあり、カウンターを含めて21席。店内も明るく清潔です。2016年開店で、葛飾出身のマスターとホールのお姉さん2人で切り盛りされています。

今回はお店の常連である友人と私たち夫婦の計3人でおじゃましました。

サイド系も楽しみなメニューと、驚いたお通し

壁の黒板の手書きメニュー。えんがわやレバーは牛、コブクロやガツは豚、ぼんじりやせせりや砂ずりは鶏…。もつ系だけでなく、サラダ、トマト、チーズに漬物などサイド系もあって楽しいですね。

短冊板も豊富で、何を頼もうか…ちょっとうれしい悩みです。
ここは友人の情報が頼り。彼女のチョイスに全幅の信頼を置く私たちは、食べ物はお任せし、飲み物を頼むことにしましょう。

友人と私は生ビールで、妻は赤ワインで乾杯!

出てきたお通しに驚きました。

玉子焼き、ブロッコリーなどのお通しですが、あれ?味つけが新鮮で食感もいい!よく濃い味のお通しでお酒を進ませるというお店もある中、このお通し一皿だけでもマスターの工夫を感じます。

さあ、どんどん行きましょう!

牛のえんがわおろしポン酢に牛煮込み

まずはさっぱりと牛のえんがわおろしポン酢です。
えんがわはどこの部位かマスターにうかがったところ、牝牛のあばら骨あたりだそう。なんとなく見た目ナンコツ系のこりこりとした食感を想像していたのですが、少し歯応えがあるもののスッと歯が入っていきます。おもしろい食感でおいしいですね。あらおろしの大根もポン酢によく合います。

食感を維持するギリギリの見極めがさすがプロだなとうなりました。

牛煮込みが大好きで、いろんなお店で食べますが、こちらの煮込みはしょうゆがしっかりきき、食感はほろほろと肉がほどけていきます。

これは少しずついただき、お酒を進ませる味。冷たいもつと温かいもつ、さっぱり味としっかり味、どちらのもつもおいしく、味のコントラストもあって飽きさせませんね。

厚揚げと牛レバースライス塩焼き

お料理がおいしいお肉店は、メインのお肉以外もおいしいことが多いと思っている私。その理論が当たっていると実感したのがこちら。

厚揚げ焼きです。これは友人推しの一品。おいしい!
なるほど、香ばしく焼き目がつき、かつおぶしやしょうが、ねぎも繊細で。炭火でていねいに焼かれる…それだけで味つけになりますね。

牛レバースライス塩焼きも絶妙の焼き加減ですね。これはレバーとにんにく好きな妻が喜んでいます。赤ワインにも合いますね。

マスターおすすめの日本酒

友人と私は、2杯目からは日本酒に。マスターが選んだ銘酒がずらり。埼玉の「五十嵐」や福島の「楽器正宗」など3、4種いただきました。

マスター自身で味わい、気に入ったお酒をお店で出してくれるそうで、友人はその日のおすすめをマスターに先に聞いてから頼むとのこと。どの日本酒もおいしゅうございました。

この日はほかのお客さんも多く、カウンターにお一人で飲まれる女性も。聞けば以前お友だちとこちらに来て、気に入ったため一人で来られたとか。

わかります。みんなと一緒に食べて飲んでももちろん楽しいですが、一人でゆっくりと食事とお酒を楽しむ空間って貴重ですよね。

葛飾区で一人酒となると、どうしてもセンベロ(1000円でベロベロになるの意味)が有名で、ゆっくり楽しめるお店ってなかなか自分では見つけられません。

もつ料理と、もつメインのお店ではありますが、おいしいもつはもちろん、お客さんたち、マスターやお店の人たちが醸し出す雰囲気がおだやかで落ち着きます。これはリピートしたくなりますね。

では、お料理にもどりましょう。

工夫がつまった焼き物、サラダ、お漬物

この後に頼んだお料理も、ひと工夫されているなあと感じたものばかりでした。

レタス豚バラ巻きは岩塩でいただきます。一口かんだ時のレタスがジュっとあふれ出す感じがヒットです!豚の脂とも合いますね。こんなしっかり、どうやって巻いたんだろう?と思いましたが、一口目のインパクトがすばらしい一串です。

つくねはあえて詳しくは聞かず、素で楽しみました。
肉の部分やおそらく軟骨などの食感のいい部分、それらが合わさる、はなれる、つながる、ほどく…かんだ時にどうなるとおいしく感じるか。それをマスターは何度も試されたのだろうなと、勝手に想像しながらいただきました。味はもちろん、おいしい!の一言につきます。

ポテトサラダ。入っているのは、おいしいじゃがいも、にんじんなど野菜とハムなどです。

材料はよくあるポテトサラダに入っているものですが、これも一筋縄ではいかない工夫が感じられます。歯応えを残している部分、クリーミーな部分と食感の違いもあり、和えているのもマヨネーズだけではなく、なにかされているはず。

いつか再度来店し、あらためて味わって謎解きにつなげたいと思います。

ピクルス(酢漬け)は、ザ・さわやか!という感じです。漬ける野菜は季節ごとに変えるそうです。口の中がさっぱりしますね。

そして長芋ぬか漬をわさびで。ぬかが主張せず、ほんのり香るバイプレーヤー。いいドラマはサイドを支える役者さん次第。いい食事会もメインだけでなくサイドもぬかりなくいきたいですね。

さ、そろそろ大団円に向かいましょう。

あえてトマトチーズ焼きにガーリックトースト…そして〆は?

今回うかがったもつ料理なか川の最後には、あえてもつ料理をはずしました。
マスターの工夫を味わいきるのは、1回だけでは無理だと思ったので、再度来店することに決め、ほかのもつは次回以降に食べることにしました。

そんな私たちに友人がすすめてくれたのがトマトチーズ焼きにガーリックトースト。トマト、チーズ、ニンニク、パン…すべて好きな私たちのことを知ってか知らずか、友人のオーダーに感謝感謝の夜でした。トマト、チーズをガーリックトーストにのせてパクリ。うん、おいしい。ありがとうございます…。

ふとマスターが、「スープは全部食べないでください」と。少し残したスープ皿をお返しし、しばらくして持ってきていただいたものに驚かされました。

〆のチーズおじやです。リゾット風のおじやかな?と思っていたら、想像以上にいろんな味がするおじやでした。
味については謎のままにしておきましょう。おいしいのは保証します!

いやあ、おいしいお料理とおいしいお酒、おだやかな雰囲気でゆっくりといただくぜいたくな時間でした。

みなさんもぜひ、もつ料理なか川で、ぜいたくな時間を味わってくださいね。
まったくアウェイ感はなく、おだやかないいお店です。

もつ料理なか川
住所:東京都葛飾区高砂5-26-8
アクセス:京成押上線「京成高砂駅」から徒歩約3分
TEL:080-5976-5383
営業時間:17:30~
定休日:月曜日

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。